信号待ちでふと見上げた。
ビルの合間に広がる空からこぼれる無数の雨粒がネオンに照らされる。
点は線になる。
途端にその映像を立体化させて傘にはじける。
雨の日にしか見せない高い空がそこにはあった。
たくさんの足音が水をけり、それぞれの方向へと向かっていく。

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